ニュートン法
二分法では、を半分ずつにすることで探索の効率を高めました。 より効率を高める方法はあるでしょうか?
がの平方根であるということを、が以下の方程式の解であると言い換えることにしましょう。
この方程式の近似解が高速に求まれば平方根が得られそうです。
ここで、解に近いを考えましょう。 の解は、のにおける接線がとなるで近似できます。
のにおける接線の方程式は以下になります。
のとき、 です。 このときのを新たにと置くことで、が徐々に真値に近づいていきます。
この方法は ニュートン法 と呼ばれる非線形方程式の数値解法です。 を n からはじめて、となるまで以下の更新を繰り返すことで平方根が得られます。
この更新式は「バビロニア人の方法」と呼ばれる平方根の計算法とも一致します。 平方根の計算において、これらの方法は非常に収束が速い(速く真値に近く)ことが知られています。
二分法では 1 回の繰り返しで誤差がになります。 ニュートン法において、近似値から次の近似値が求まったとき、誤差の比は以下のようになります。
であるため、この比は必ずより小さくなります。 すなわち、比が常にである二分法と比較して、ニュートン法の方がより速く収束します。